高齢運転者は自動車の運転のベテランです。しかし、年齢とともに視力や体力、記憶力や判断力など身体機能が変化し、若いときと同じではなくなってきます。そうした加齢に伴う身体機能の変化を理解し、変化に応じた運転を行うことで安全運転を続けることができます。
現在、70歳以上の運転免許保有者は、免許証更新時に「高齢者講習」を受講しなければなりません。この講習は、視力や運転操作につき問題がないかを確認したり、実際に車を運転したりしながら、自身の運転技能や知識についての認識・理解を深め、その後の安全運転に生かしていただくためのものです。
75歳以上の方が免許証を更新する場合には、高齢者講習及び認知機能検査を受けなければなりません。認知機能検査は、記憶力や判断力等の認知機能を簡易な手法で調べ、認知症のおそれの有無を検査します。また、75歳以上で一定の違反歴のある方は、運転技能検査も受検しなければなりません。
また、認知機能の低下のおそれのある方に対して、タイムリーに医師の診断や安全運転支援(安全運転指導)を行うことを可能とするため、認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為をした場合には、臨時認知機能検査を受けなければならず、その結果に基づいて、臨時高齢者講習の受講や臨時適性検査又は主治医等の診断書の提出を行うことなどが定められています。
高齢者講習、認知機能検査及び運転技能検査は、各都道府県公安委員会又は各都道府県公安委員会より業務を委託され、あるいは道路交通法で認められている認定教育等として実施している指定自動車教習所等で受けることができます。